夫婦ごっこ
その女の人と、保育園の秋祭りに行った。
すっかり季節も秋に色づいてきた今日、小雨の中、その友人が貸し出しをしていた顔出しパネルを保育園の秋祭りの最中に取りにいくことになった。
私はまったく関係ないけど、一緒に連れていってもらった。
地図で確認して行くにも関わらず、入り口がわからない。
なんとか遠回りして、入り口を見つける。結界があるのかもしれない。
顔出しパネルに、来る子ども来る子どもが楽しそうに顔を出しているのを見て、思わず笑みがこぼれる。特に写真を撮ってもらうでもなく、顔を出すだけで楽しそうだった。
そして、「よかったらどうぞ」と大人の方が言うので、このあとの人形劇を見させてもらった。
その友人も、私と歳が近いので、誰かの所謂「親御さん」に溶け込んでいた。
人形劇は、ツッコミどころが多くて、意外と楽しめてしまった。
子どもたちは、10分もすれば、だれてきているのがわかる。
とりあえず、ピノキオのおじいさん、テンション高すぎ。
周りの親御さんたちは、20代後半くらいの今風の人たちもちらほらいた。
子どもをだっこしながら見ている人もいる。
自分も、ああしたいなと思う。
喜々とした子どもたちに癒されてきた。
駅までの帰り道は、大通りではない別の道を通って帰る。
閑静な住宅街、とでもいおうか。
心が洗われる気がする。
そのあとは、私の家の最寄駅付近で良さげなカフェを見つけ、お昼にした。
最寄駅付近は、たくさんお店があるにも関わらず、入ったのは初めて。
東京タワー
ずっと以前からこの日を狙われていて、もうどこにも逃げ場がないくらいの雨雲が予想通りに上陸していた。
しかし、雨の東京もまたオツなものである。
気温は、上に2枚だけでは、外では少し肌寒いかな、という感じ。
東京タワーに行くのは初めて。
その中にある、水族館に行く。
水族館の入り口の前で、見ず知らずの人から、割引券をもらった。
中は、それほど広くないのだけど、見たこともないような魚たちを間近で見られた。
友人は、ここに来て、デジカメを取りだして撮りだして、本気モードになられた。
出口際の魚を見て、その人が言った。
*「これもコイなのかなー」
何気に凄いこと言ってますけど。
水族館は水族館で、きれいなものがいっぱいというより、わりと気持ち悪がられるものが多いので、一緒に行ってくれる(むしろ私は連れていってもらった側だけれども)女の人が、そういうものが好きではないと面白くないかも。
種類が多くて、凄く濃い時間だった。
水族館での人間のエゴを感じたあとは、蝋人形館へ。
蝋人形って、どんなものなのかわからなかったのだけど、歴史上の人物などが色合いも含めて忠実に再現されている。
そして、後半部分は、もう蝋人形でもなんでもない、ただのロックマニアのコレクション展示と化していた。
なぜ来年のカレンダー(野鳥)がコレクションの一部として展示してあるんだ。
*「頭、おかしくなっちゃったのかな……」
と、わりと真面目にその人が言う。
蝋人形館での館長(か誰か)のエゴに触れ、予想以上に楽しかった。
帰りは、ライトアップされる東京タワーがきれいだった。
写真
「呼吸をするように写真を撮る」
というような比喩を以前に聞いた。
昨日やその前に、自分のために音楽と写真を組み合わせて簡単なムービーを作っていたのだけど、日常の一コマ的な写真がほとんどないことに気づいた。そういうのをたくさん撮っていければいいなと思う。そう、呼吸をするように。
いいカメラはまだないけど、今日は、なるべくカメラのあるケータイを手から離さないようにしていた。